私たちの口の中には、常にたくさんの微生物がいます。
そのひとつに「ストレプトコッカス・ミュータンス」という細菌がいます。
これは砂糖が大好きな菌。
この菌が排泄する「デキストラン」という多糖類がやっかい。
粘着性が非常に強く、水にも溶けにくい。
歯にくっついて離れない。
うがいをしても簡単にはとれない。
放っておくと、砂糖を栄養源として、どんどん繁殖し、
ほかの微生物もふくめたプラーク(歯垢)ができます。
そして、微生物が出す乳酸などの酸が、歯の表面のエナメル質を徐々に溶かし、
ついには歯に穴をあけてしまう。
これが、むし歯です。
歯の表面を爪やつまようじでこすると白いものがとれます。
これがプラークで、生きているばい菌とその排泄物のかたまりです。
わずか1ミリグラムの中に、およそ2億の微生物がいるといわれています。
人間の口の中は、温度、湿度、栄養のすべてがそろっており、
まさに微生物にとって最高級のマンション。
ただ、口の中にいる微生物は多種多様で、無害のものもあります。
すべてがむし歯や歯肉炎の原因になるわけではありません。
むし歯は一夜でできるのではなく、半年から一年、あるいはそれ以上の時間をかけて
目に見える状態に進行していきます。
ステファンの 実験によれば、むし歯がたくさんある人の歯の表面は、
むし歯のない人に比べて酸性になっています。
酸性度を示す尺度、pH(ペーハー)の値が5.5以下の酸性になると、
エナメル質の脱灰が進み、むし歯が進行します。
むし歯ができやすい部位は、まず臼歯(奥歯)の噛み合わせる面(シワシワの溝ができている面)です。
歯と歯が隣り合う面もむし歯になりやすいです。
口を開けて呼吸をしている人の場合は、前歯のむし歯が非常に多いです。
カレーライスを食べたあと、そのお皿を洗わないで放っておくと、
カレー粉やごはん粒がカチンカチンに固まって少々こすっても、簡単には とれず、ザラザラですね。
口で呼吸している人の前歯もそれと同じ状態になります。
歯の表面がガサガサになって、プラークがとれにくくなってしまい、むし歯になってしまうのです。
一度、むし歯を治療して、金属で詰めたり、かぶせた部分も要注意です。
金属と歯の段差に、いつもプラークができて、むし歯になることがあるます。
歯と金属のつなぎ目も、ていねいにみがきましょう。
埼玉県入間郡三芳町藤久保855-403
ユナイトみよし歯科
歯科衛生士 : H.K