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  お口のおはなし 5月号vol.1 オーラルフレイルって何?、「食べる姿勢」からはじめるお口育て 〜防ごう!口腔機能発達不全〜

お知らせ

お口のおはなし 5月号vol.1 オーラルフレイルって何?、「食べる姿勢」からはじめるお口育て 〜防ごう!口腔機能発達不全〜

お口のおはなし

新緑のまぶしい季節となりました。5月は寒暖差もあり、体調を崩しやすい時期ですので、お口の健康にもぜひお気をつけください。

今回のお口のお話しは、『オーラルフレイルって何?』・『「食べる姿勢」からはじめるお口育て 〜防ごう!口腔機能発達不全〜』です。
ぜひ参考にしてくださいね。

 

オーラルフレイルって何?

皆さんは「オーラルフレイル」という言葉を聞いたことがありますか? 近年、健康寿命を延ばすために注目されている概念の一つで、「口(オーラル)」と「虚弱(フレイル)」を組み合わせた言葉です。簡単に言うと、「お口のささいな衰えが、全身の健康にも影響を及ぼす状態」を指します。

加齢とともに、噛む力や飲み込む力、発音する力が少しずつ低下していくことは自然なことですが、それを放置すると全身の筋力低下や認知機能の低下を引き起こし、要介護状態につながることが分かっています。そこで、早い段階でお口の健康に気を配り、適切なケアを行うことがとても大切なのです。

今回は、オーラルフレイルとはどのような状態なのか、また、それを予防するための方法について詳しくお話ししていきます。

 

オーラルフレイルの初期症状

オーラルフレイルは、いきなり重度の症状が現れるわけではなく、初期の段階ではちょっとした違和感や変化として現れます。例えば、次のような症状に心当たりはありませんか?

  • 食べ物をよくこぼすようになった
  • 硬いものを避けるようになった(せんべいやお肉が食べにくい)
  • むせやすくなった(お茶や汁物を飲むと咳き込む)
  • 滑舌が悪くなった(「さしすせそ」が言いにくい)
  • 口の中が乾きやすくなった
  • 食事の量が減った、または食べるのが遅くなった

 

このような変化は、「歳のせい」と思ってしまいがちですが、実はオーラルフレイルのサインかもしれません。放置すると、徐々に噛む力や飲み込む力が弱まり、食事の楽しみが減るだけでなく、栄養が十分に取れなくなり、全身の健康に悪影響を及ぼします。

 

オーラルフレイルが進行するとどうなる?

オーラルフレイルをそのままにしておくと、以下のようなリスクが高まります。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

飲み込む力が低下すると、食べ物や唾液が誤って気管に入ってしまい、肺炎を引き起こすことがあります。特に高齢者では、誤嚥性肺炎が命に関わることもあるため注意が必要です。

 

低栄養・筋力低下

噛みにくいものを避けるようになると、食事のバランスが崩れ、タンパク質やビタミンが不足しがちに。その結果、筋力が低下し、転倒しやすくなったり、要介護状態になるリスクが高まります。

 

認知症のリスク増加

噛むことは脳を刺激し、認知機能の維持に役立つといわれています。しかし、噛む力が低下し、柔らかいものばかり食べるようになると、脳への刺激が減り、認知症のリスクが高まると考えられています。

 

オーラルフレイルを予防するには?

オーラルフレイルは早めに対策をとることで予防できます。今日からできる簡単な対策をご紹介します。

 

よく噛んで食べる

食事の際は、一口ごとにしっかり噛むことを意識しましょう。よく噛むことで唾液の分泌が促され、消化も助けます。ガムを噛むのも良い方法です。

 

口の体操をする

口周りの筋肉を鍛えるために、簡単なトレーニングを取り入れましょう。例えば、「パタカラ体操」と呼ばれる方法があります。

  • 「パ・タ・カ・ラ」とはっきり発音する
  • 「パ」…唇をしっかり閉じて発音(唇の筋肉を鍛える)
  • 「タ」…舌の先を上あごにつけて発音(舌の動きを鍛える)
  • 「カ」…舌の奥を上あごにつけて発音(飲み込む力を鍛える)
  • 「ラ」…舌をしっかり動かして発音(舌全体の筋肉を鍛える)

 

この体操を1日3回ほど行うと、口の機能維持に役立ちます。

 

適度な運動をする

 

口の健康と全身の健康は深く関わっています。ウォーキングや軽いストレッチなどの運動を続けることで、筋力を維持し、噛む力や飲み込む力の低下を防ぎます。

 

定期的に歯科検診を受ける

 

虫歯や歯周病があると、噛む力が低下しやすくなります。定期的に歯科検診を受けて、歯や歯ぐきの健康をチェックしましょう。歯を失ってしまった場合は、適切な治療を受け、入れ歯やインプラントなどの対応を検討することも大切です。

 

まとめ

オーラルフレイルは、加齢とともに誰にでも起こる可能性がありますが、早めに気づいて対策をとることで予防が可能です。

 

「最近、硬いものが食べづらいな…」「むせることが増えたかも?」と感じたら、それはオーラルフレイルのサインかもしれません。日々の食事や口の体操を意識しながら、しっかりとケアしていきましょう。そして、定期的な歯科検診も忘れずに受けることで、お口の健康を維持し、いつまでも美味しく食事を楽しめるようにしましょう!

 

オーラルフレイルについて気になることがあれば、ぜひ当院にご相談ください。あなたのお口の健康を全力でサポートいたします!

 

DA.TC YT

 

「食べる姿勢」からはじめるお口育て 〜防ごう!口腔機能発達不全〜

実は今、子どもたちの間で増えているのが「口腔機能の発達の遅れ」です。

 

「誕生日ケーキのろうそくが吹き消せない」「いつも口がぽかんと開いている」「食べるのが遅い」――そんなお悩みを持つ親御さんが、歯科医院にも多く訪れています。こうした状態は専門的には「口腔機能発達不全症」と呼ばれ、食べる・話す・呼吸するといった、お口本来の機能がスムーズに働いていないことを指します。

 

でも安心してください。「発達不全」といっても、あくまで“発達が少しゆっくり”なだけで、日々の生活の中で十分に取り戻していけるものです。鍵になるのは、毎日の「食べること」。特別な訓練をしなくても、日々の食事がいちばんのトレーニングになるのです。

 

ただし、それには「正しい食べ方」、つまり「正しい姿勢」で食べることが必要不可欠です。

 

野球のピッチャーに理想的な投球フォームがあるように、「食べること」にも理想の姿勢があります。正しい姿勢で食べることで、舌や唇、頬、のどの筋肉を自然とバランスよく使うことができ、お口の機能がしっかり育っていきます。

 

年齢別・理想的な「食べる姿勢

 

▼1〜2歳

この時期は「姿勢の安定」が最優先。

・タオルやクッションで体を支え、グラグラしないように

・机の高さはひじの位置が目安

・椅子の背もたれと背中、お腹と机の間は“こぶし1つぶん”あける

・足裏がしっかり床(または踏み台)につくように調整する

 

▼3歳以上

合言葉は「ピン・ピタ・グー」!

・ピン:背筋を伸ばす(猫背は呼吸や飲み込みの妨げに)

・ピタ:足の裏を床にしっかりつける

・グー:椅子と背中、机とお腹の間に“こぶし1つぶん”のすき間を空ける。

 

姿勢が崩れると、噛む力がうまく発揮できず、食べること自体が苦手になってしまうこともあります。

 

「姿勢を支える筋肉」も大事なポイント

 

「うちの子、背筋を伸ばして座っていられないんです…」という声もよく聞きます。これは、単に姿勢が悪いのではなく、「姿勢を保つ筋力」がまだ育っていないことが多いのです。

 

だからといって筋トレをさせる必要はありません。子どもの筋力は、遊びやお手伝いを通して、自然に育てていくのが一番です。特に「握力」を育てることが、全身の筋力や噛む力の強化につながるとわかっています。

 

▼おすすめの遊び&お手伝い

・買い物袋を持つ:姿勢保持や体幹を鍛える

・鉄棒遊び:ひじを曲げてぶら下がることで、上半身が鍛えられる

・雑巾しぼり&雑巾がけ:背筋や足腰もしっかり使います

 

毎日の食事とちょっとした習慣で、お子さんのお口の機能はしっかりと育っていきます。「食べる姿勢」を見直すことは、お口だけでなく体の健やかな発達にもつながる、大切な第一歩です。

 

歯科衛生士     H.K

小児歯科・予防歯科
インプラント治療
セラミック治療 幅広く対応
入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科

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