2024年も残り数日となりました。
年の瀬らしい寒い日が続いておりますので、体調管理をしっかりして元気に新年を迎えましょう。
今回のお口のお話しは、『歯ブラシのあんな・こんなギモン』・『歯ブラシのQ&A』です。
ぜひ参考にしてくださいね。
1.歯みがきは、朝食前と朝食後、どっちがいい?
むし歯予防のためには、朝食後にみがくのが基本です。
とはいえ、お口の機能が低下しているような場合は、食事中のムセを防ぐために、食事の準備運動として食前に取り入れてみてください。
・むし歯予防が目的のかた
・歯周病予防が目的のかた
朝食後にみがくとよいでしょう
・お口の機能が下がっているかた
・お口のネバつきが気になるかた
朝食前および朝食後にみがくとよいでしょう
昔は、歯みがきには「口を清める」という意味があったようです。また、1日のうちでもっともお口のなかが汚れている(細菌が多くいる)のは、起床直後です。そのため、朝起きてすぐにみがくのが一般的でした。
昭和40年代ころからは、朝食後が推奨されるようになっていきました。お口のなかのpHが食後に下がることがわかってきたからです。pHが下がることは、むし歯になりやすい環境であることを意味します。そこで下がったpHを上げるために、「食べたら歯をみがく」が基本となりました。
現在は、フッ素配合歯みがき剤の効果を維持する面でも、食後が望ましいとされています。フッ素をできるだけ保つために、食べたら2時間は飲食しないことです。
朝食前の歯みがきにも、大きなメリットがあります。まず、お口の機能が低下しているようなでは、食事の準備運動として歯みがきを行うとよいでしょう。また、起床後のお口のなかのネバつきが気になったり、ご飯といっしょに細菌を食べるなんて、と思うかたは、歯みがきでスッキリさせ、朝食後に再度歯をみがくとよいでしょう。
ちなみに、お口のなかの細菌を飲み込んでも問題ありません。
2.歯みがき剤は使ったほうがいい?
フッ素が配合された歯みがき剤を使用しましょう。使用しないと、むし歯予防効果が得られません。
・歯みがき剤による効果でもっとも重要なのが、フッ素配合歯磨き剤によるむし歯予防効果です。
・フッ素配合歯みがき剤は、年齢により推奨フッ素濃度や使用量が変わりますので、適切に使用しましょう。
歯みがき剤の効果
・むし歯予防
・ステインの除去
・爽快感
・飛沫の飛び散りの抑制
・プラークの除去
・歯ぐきの保護
・再付着の抑制など
歯みがき剤 年齢別・推奨フッ素濃度&使用量
◉2歳以下
フッ素濃度 1000ppm程度
歯みがき剤の量 歯ブラシに1~2mm程度
◉3~5歳
フッ素濃度 1000ppm程度
歯みがき剤の量 歯ブラシに5mm程度
◉6歳以上
フッ素濃度 1500ppm程度
歯みがき剤の量 歯ブラシに1.5~2cm程度
学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(2023年1月)
(日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)
3.歯みがき剤を使うとき、歯ブラシに水をつけたほうがいいの?
歯ブラシを水で濡らした後、歯ブラシを軽くふり水を切ってから、歯みがき剤をつけましょう。
・適度な水分がないと、歯みがき剤が口のなかにひろがりません。ですが、水分が多すぎるのもよくありません。歯みがき剤に含まれるフッ素の濃度が水分で薄まってしまうからです。
・乾いた歯ブラシに歯みがき剤をつけると、歯ブラシの毛束の根元に歯みがき剤が残りやすくなります。
4.歯みがきは朝と夜、どっちが大事?
夜のほうが大事ですので、寝る前にはフッ素配合歯みがき剤を使用して口のなかをきれいにしましょう。
なお、むし歯を予防するためには、フッ素配合歯みがき剤を使用して毎日2回以上歯をみがくことが基本です。
・唾液には、細菌が増えるのを防ぐ役割があるのですが、就寝中は唾液がほとんど出なくなります。ですので、むし歯および歯周病予防のために、就寝前の歯みがきで、できる限りお口のなかの細菌を少なくしておきましょう。
・唾液が出ないということは、歯みがき時に使用したフッ素が長くとどまりやすくなります。フッ素によるむし歯予防という点でもやはり、寝る前の歯みがきが大事です。
朝、口のなかのネバつきを感じるかたは、寝る前に時間をかけてていねいにみがくとよいでしょう。
きっと、朝のネバつき感が減るでしょう。
5.歯みがき時間は、長いほどいい?
歯周病の予防という点では、時間をかけてていねいに歯と歯ぐきのあいだのプラークを除去できることが大切です。ただし、歯みがき時間が長いからといってプラークが落ちているわけではありません。また、むし歯予防という点では、唾液によってフッ素が薄まっていない2分間のあいだにフッ素配合歯みがき剤を歯全体に届けることが大事です。
・歯周病予防には歯と歯ぐきのあいだのプラークの除去が重要ですので、ていねいに時間をかけて歯をみがくことが大切です。一方で、歯周病によって歯ぐきが下がると歯の根の面が見えるようになります。歯の根の面はむし歯になりやすい部位です。フッ素配合歯みがき剤は唾液で徐々に薄まってしまうため、むし歯予防としては、フッ素が薄まっていない2分間でみがくのが重要とされています
・長時間みがくかたで注意したいのが、いわゆる「ながらみがき」。スマホやテレビを見ながら歯みがきをするかたもいます。ただ、歯と歯ぐきのあいだなどプラークが溜まりやすいところに歯ブラシが当たっていなかったり、同じところばかりみがいていることもあります。そのようなかたは、みがく順番を決めるなど、意識してみがくとよいでしょう。
歯周病予防のための歯みがき法
①少量の歯みがき剤を歯ブラシにつけます。
②時間をかけてていねいに歯と歯ぐきのあいだをみがきます。
③歯みがきの最後の2分間のところで、フッ素配合歯みがき剤をしっかりつけます。
④歯と歯のあいだや歯の根の面にフッ素配合歯みがき剤を届けるよう2分間みがきます。
歯科衛生士 Y.K
Q 歯ブラシの毛は、「やわらかめ」と「かため」、どっちがいい?
A 歯ブラシの毛の硬さには、好みもあると思いますが、基本的に「ふつう」と表示されている歯ブラシがおすすめです。
「やわらかめ」は、「ふつう」にくらべて清掃効率がやや低下します。「やわらかめ」を使用するかたは、みがき残しを少なくするために時間をかけてていねいにみがきましょう。
「かため」は「ふつう」にくらべて歯ぐきを傷つけやすいため、「かため」を使用するかたは、ブラシを大きく動かしてゴシゴシみがくのは避けましょう。
Q 歯ブラシのヘッドは、大型と小型、どっちがいい?
A 大型のヘッドは、効率よくみがけるため歯みがき時間が短いかたにおすすめです。
一方、小型のヘッドは、ブラシを届けやすく動かしやすいのですが、全体をみがくのに時間がかかるため、時間をかけてみがくかたにおすすめです。
Q 手用歯ブラシと電動歯ブラシどっちがいい?
A 手用歯ブラシ、電動歯ブラシいずれを使うにしても、歯医者さんで指導を受けて適切にみがくことが重要です。とくに電動歯ブラシは、だれもが簡単に扱えるものと思いがちですが、誤った使いかたをすると為害性(書を及ぼす)が出やすかったりします。そして、「みがけている感じがする」と「実際にみがけている」はまったく違いますので、しっかりみがけているのかを定期的に歯科専門家にみてもらいましょう。
Q洗口剤は使ったほうがいいの?
A 口のなかの清掃は歯ブラシでみがくのが基本ですが、口臭や口のなかのネバつきが気になったときや、出先で歯みがきができないようなときは、洗口剤を活用するとよいでしょう。
フッ素配合歯みがき剤を使用するときは、歯みがき直後の洗口剤使用でフッ素が流れてしまいやすいので、少し時間をあけてから洗口剤を使用しましょう。
Q 歯ブラシはいつ替えるのがいいの?
A 1ヵ月が目安ですが、短い期間でも毛先が広がっている場合や、明らかに毛が新品のものと違う形になった場合は、その時点で交換しましょう。
広がってしまった歯ブラシでは、清掃効率が低下してしまいます。また、歯ぐきへダメージを与える可能性もあります。
歯科衛生士 W.K
小児歯科・予防歯科
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入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科