冬らしくなり年の瀬を感じる日々になってきましたね。
2024年は残り1か月を切りました!
来年を健康で迎えるためにもしっかりと体調管理をしていきましょう。
今回のお口のお話しは、『歯磨き粉選びの種類、なにを選んだらいいの?』・『口腔乾燥症(前回の続き)』です。
ぜひ参考にしてくださいね。
歯磨き粉の種類は数多くあり、どんなものを選んだら良いのか迷う事はありませんか?
虫歯予防、歯周病ケア、歯のホワイトニング効果等、様々な種類があります。
☆虫歯予防
・フッ素の含有量
フッ素には歯の表面を強化し、虫歯菌が作り出す酸から歯を守る役割があります。一般的に、フッ素濃度1450ppm以上のものが効果的です。
・研磨剤の量
研磨剤には歯の表面の汚れを落としますが、磨きすぎると歯を傷付けてしまう可能性があります。研磨剤は少なめのものがおすすめです。
☆歯周病ケア
・殺菌成分の有無
歯周病の原因菌を殺菌する成分が配合されているかを確認しましょう。
代表的な成分:IPMP、CPC、塩酸クロヘキシジン 等
・抗炎症作用
歯肉の炎症を抑える成分が配合されていると、歯周病の悪化を防ぐことができます。
代表的な成分:トラネキサム酸、グリチルリチン酸 等
・研磨剤
歯周病の場合には歯肉に炎症を起こしやすい為、無研磨または研磨剤が少なめなものがおすすめです。
☆ホワイトニング
・研磨剤の量は少なめか無研磨のものが良いでしょう。
歯を傷付けないようやさしく磨くのも一つの効果を高めるポイントです。
ホワイトニング成分:ポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が一般的です。
これらの成分には歯の表面に付着した着色汚れを分解したり、吸着したりする働きがあります。
・効果を高めるためのコツ
ホワイトニング効果は、毎日継続して使用することで効果が表れてきます。コーヒー、紅茶などの付着しやすい飲み物は避けるか、飲んだ後はすぐに歯を磨く事をおすすめします。
☆知覚過敏予防
知覚過敏は歯の表面のエナメル質が薄くなり、小さな穴(象牙細管)が露出することで起こります。
・硝酸カリウムや乳酸アルミニウム配合されているものには、歯の表面の象牙細管を塞ぎ、外部からの刺激を遮断することで染み止め効果を発揮します。
知覚過敏予防にも研磨剤が少ないものや無配合のものがおすすめです。
定期的に検診やクリーニングに来ていただくことで、あなたのお口に合う歯磨き粉のご提案もしています。お困りな事、気になる事があればお気軽にご相談ください。
歯科衛生士 M.H
寒くなりマスクをする機会も増えてきました。
風邪やインフルエンザ、コロナの予防対策としてマスクをする方が増えてくることにより、お口の中の乾燥が目立つようになってきました。
そこで今回は、前回の口腔乾燥症のお話の続きになります。
一言に唾液の中にもいろいろな性質を持っています。
今回はその中でもお口を守るバリア役「ムチン」についてのお話です。
唾液には粘り気がありますが、これもお口の健康を保つために重要な役割を果たしています。
唾液は、食事のときには主に耳下腺から分泌され、普段は顎下線と舌下腺からが中心です。顎下腺や舌下腺からの唾液は、耳下腺から出る唾液に比べて、2から3倍粘り気があり、しかもお口全体にある小唾液腺から分泌される唾液は、さらに粘り気があります。
この粘り気は、「ムチン」と言う成分によるものです。
ムチンは、糖タンパクと言うタンパク質の骨格に、糖が結びついた構造をしています。この構造が水を引き寄せ、粘り気を生み出します。唾液の99.4%は水分であり、この水分はお口の組織を保護するために欠かせません。ここで、味覚を例にとって水分の重要性についてお話ししていきます。
味は、舌や軟口蓋(上顎の奥の方)にある「味蕾」と言う小さな器官で感知します。味細胞が集まって構成されていて、味蕾の味孔という穴から味の物質を取り込み、味細胞に伝えています。
「味の物質は水で溶かされなければ、味蕾に到達しない。だから唾液が減少すると、味がわからなくなる」、と言われることがありますが、実際は唾液が少なくても味が大きく損われる事はありません。というのも、食事中に必ず摂取される水分で、味の物質を溶かすには十分だからです。
現実には、唾液の分泌量は1日中一定ではなく、時間帯や姿勢によって変動します。座っている時より立っているときの方が多く、横になっているときは少なくなります。また、体内リズムも関係していて、夕方にはピークを迎えますが、睡眠中はほぼ停止してしまいます。
そこで重要になるのがムチンです。
ムチンは水をしっかり保持する性質があります。唾液に粘り気を与えて、しかもお口の中を長時間保護することができます。ムチンを含んだ人工唾液を使用すると、その効果が長続きすると言う研究もあります。ムチンは、水分を保持することで、お口の粘膜を物理的に保護し、外部の刺激や細菌から守るバリアの役割を果たしているのです。
唾液にはたくさんの役割や性質があります。
お口と身体の健康を保つためにも大切な役割を果たしているのです。
食事をよく噛んで食べることも唾液をだす効果がありますので、食事の際には気をつけていくことも必要ですね。
歯科衛生士 Y.S
小児歯科・予防歯科
インプラント治療
セラミック治療 幅広く対応
入間郡三芳町 ユナイトみよし歯科