早食いや砂糖入りのジュースの摂取によって、血中のブドウ糖濃度が急上昇して高血糖になります。そうするとインスリンが分泌され急激に血糖値が減少し、低血糖になる場合があります。低血糖になるとアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、交感神経が優勢になることでイライラしたりキレやすくなります。
急激な血糖値の変動は自律神経を乱し、自律神経失調症を引き起こします。不安感やめまい、頭痛、倦怠感などが生じる原因になります。
特に交感神経が優勢になると換気量が増え口呼吸を誘発する原因になります。
糖は以下のようなタンパク質と結合しやすい性質を持っています。
★ヘモグロビンと結合
→酸素の運搬出ができなくなり貧血を起こす。
★免疫グロブリンと結合
→免疫力が働かなくなる。
★コレステロールと結合
→動脈硬化を促進する。
★コラーゲンと結合
→肌や血管の弾力がなくなる。
このように糖とタンパク質が結合することを糖化と呼び、この糖化タンパクは最終糖化産物(AGEs)となります。
AGEsは炎症性サイトカインを生じさせる性質があるので、慢性炎症の引き金になります。
慢性炎症により継続して遺伝子が傷つけられることでがんや老化が促進していきます。
歯髄を介して象牙質のタンパクが糖化すると歯の色が黄ばんできます。
脂質は吸収されづらいため多くは排泄されてしまいますが、糖質は100%吸収されます。糖質の過剰摂取によって高血糖が生じると、インスリンが分泌されるので中性脂肪に変換され脂肪細胞に取り込まれます。
肥満は脂質によるカロリーオーバーが頭に浮かびますが、実際は糖質の過剰摂取の方がより強く肥満の原因になります。
肥大化した脂肪細胞は炎症性サイトカインを撒き散らし全身の慢性炎症を引き起こします。肥満自体が気道の狭小化による睡眠時無呼吸のリスク要因であり、鼻づまりの原因にもなるので、口呼吸や上気道抵抗症候群のリスクの直接の原因になります。
糖質の摂取により低血糖が頻繁に起こると、血糖値を上昇させるために副腎皮質よりコルチゾールが頻繁に分泌されます。その結果、副腎皮質が疲労して、コルチゾールが分泌されなくなります。
コルチゾールは精神ストレスに対する作用や、アレルギーの抑制、睡眠のコントロール、細胞を修復し疲労を取る作用があります。なのでコルチゾールが分泌されなくなると、アレルギーやストレス過多、慢性疲労、睡眠障害を起こすことにつながります。
高血糖により2型糖尿病になった場合に、歯周病も悪化すると言われていますが、高血糖からAGEsが生じると全身で炎症を起こします。
歯周組織にも移行し炎症を亢進するので、歯周病を悪化させてしまいます。さらにAGEsは骨組織の代謝を阻害するため、歯槽骨の吸収を起こすという報告があります。糖質の過剰摂取は複合的に歯周病を悪化させてしまうのです。
最も血糖値が低くなる時間帯は朝方4時頃です。夜間に糖質の摂取を行い高血糖になると血糖を下げるためにインスリンが分泌されます。
その作用によって血糖値が急激に減少してしまうので夜間低血糖になってしまいます。
低血糖になると交換神経が優勢となり、悪夢を見たり歯ぎしりなどの症状が起きます。また、交感神経が優位になると、睡眠が浅くなり換気量が増えて口呼吸を起こしてしまうので、睡眠時無呼吸の引き金になる可能性があります。
ユナイトみよし歯科 歯科衛生士 Y.K