前回はホワイトニングについて種類や方法についてお話ししましたが、今回は変色の原因と、ホワイトニングの適応症、禁忌症についてもお話ししていきたいと思います。
歯の変色の原因として、エナメル質表面への色素沈着以外にも、エナメル質や象牙質内部に色素が沈着したり、歯冠の形成期に何らかの障害を受けたりすることがあります。よって変色の原因は、外因性と内因性に大別することができます。
《 外因性の歯の変色 》
主にコーヒー、お茶類、赤ワイン、タバコなどの嗜好品によって、歯は褐色や黄褐色に着色します。むし歯による変色は、初期の場合はチョーク様の白濁斑として認知されます。むし歯が進行し慢性化すると、褐色から黒色になります。
《 内因性の歯の変色 》
・遺伝性疾患
・代謝異常疾患
・歯の傷害
・加齢による歯の黄変
年齢と共にエナメル質が薄くなり、エナメル質の透過性が高くなることによって黄ばんだ象牙質の色が透けて見えるようになります。
・テトラサイクリン系薬剤
歯の形成期にテトラサイクリンを服用すると歯に色素沈着が起こります。テトラサイクリン系抗菌薬は、妊娠初期に用いると胎児の歯や骨の発育を阻害し、テトラサイクリンに由来する鮮やかな黄色の蛍光が歯に固定されます。変色は、テトラサイクリンの服用時期、使用量、薬剤の種類によって左右されます。2歳くらいまでテトラサイクリンの大量服用を繰り返すと、80%の発現率で上の前歯や、第一大臼歯に変色を起こします。
ホワイトニングはどんな歯でも処置ができるわけではなく、歯の状態や全身的な要因によっては禁忌となる場合があります。
( 有髄歯の場合 )
《 適応症 》
・加齢に伴う変色(黄ばみ)
・軽度のテトラサイクリン変色歯
・軽度のフッ素症 など
《 禁忌症 》
・大きなむし歯
・エナメル質に亀裂がある
・重度のテトラサイクリン変色歯
・形成不全など欠損がある
・無カタラーゼ症
・妊娠期・授乳期の女性
・小児
・光線過敏症(ホームホワイトニングは適応)
Q1.ホワイトニングで歯の詰め物も白くなりますか?
A1.歯の詰め物や被せ物は、ホワイトニングでは白くなりません。ホワイトニング後にご自身こ歯の色と合わなくなった場合は、詰め物や被せ物はやり直しになります。
Q2.歯や歯肉にダメージはありますか?
A2.歯に対してのダメージは非常に軽微で、唾液による再石灰化作用により回復します。まれに歯肉に薬剤がついて白くなることがありますが、2〜3時間で元に戻ります。
Q3.痛みなど副作用はありますか?
A3.しみる症状が出る場合があります。健康な歯であれば一過性のものです。痛みが出た場合はホワイトニングを行う間隔をあけたり、硝酸カリウム・フッ化物配合のジェル等を塗布することで改善する場合があります。
ユナイトみよし歯科 歯科衛生士 Y.K