お口のおはなし 第74話
歯肉退縮②歯ぐきが下がるのをどうやったら防げるの?
歯ぐきが下がる歯肉退縮の一番の原因は、歯周病です。
歯周病予防に重要なのは、お口の適切なケアです。
定期的な歯科受診をしましょう。
当院では、三ヶ月に一度の定期予防処置をお勧めしております。
歯科医院で歯科衛生士による歯磨き指導を受けましょう。
歯磨き剤をたっぷりつけて硬めの歯ブラシで
ゴシゴシ力強く一生懸命に磨いていると
歯の根元が削れてしまい、欠けてしまうことがあります。
歯の位置や生え方によっては、他の歯よりも歯ブラシが
強く当たりやすいこともあるので、注意が必要です。
歯ぐきの擦過傷や歯ぐきのふちが厚くなったり、
歯ぐきがV字状に裂けたり、
歯ぐきが白すぎる色になったりということは、
過度の歯磨きで起こります。
適切な歯ブラシと適切な歯磨き剤(研磨剤の有無など)、
適切な歯磨き剤の量を確認しましょう。
正しい歯磨きと歯間ブラシやフロスを使った
歯の間の清掃を毎日行いましょう。
喫煙は、歯肉退縮の原因のひとつですから、
禁煙を心がけましょう。
栄養バランスのとれた健康的な食事を心がけましょう。
女性は、ホルモンバランスによりエストロゲンが変化し、
歯ぐきが過敏になったり、下がってしまうこともあります。
歯並びの治療やかみ合わせの治療により、
歯ぐきが下がることを予防できる場合もあります。
歯肉退縮が進行している場合は、歯科医院に通うことが
必要な場合もあります。
またご自身のお口の変化を観察して、
歯科医師、歯科衛生士にお伝えいただくことも重要です。
歯肉退縮から生じる問題と対応と予防
歯肉退縮が生じると歯根つまり歯の根元が露出します。
歯根がお口の中でさらされることによって起きる問題は、
根面う蝕(歯の根元の虫歯)、
象牙質知覚過敏症(歯の根元がしみること)、
審美性の低下(見た目が悪くなること、
かぶせもののふちが見えたり、黒く見えたりすること)
などです。
①根面う蝕
歯の根元は、エナメル質よりも酸に溶けやすく、
その形からも歯のお手入れが難しいため、虫歯になりやすいです。
また、歯周病で歯肉退縮が進む年齢になると
生活習慣病などの薬の副作用や加齢による変化で
唾液の分泌が減っている方もいます。
定年退職、家族との死別、家族の介護など
生活環境、生活習慣に変化があると
歯のお手入れが十分できなくなったり、
歯科医院を受診したり、通院が難しくなることもあります。
すると急激に根面う蝕が進むことがあります。
毎日の歯磨きにフッ素入りの歯磨き剤
(研磨剤の入っていないジェル状のものがお勧めです)を
使っていただくことやフッ素洗口を行うことで予防できます。
歯科医院での定期的なフッ素塗布も予防には、大切です。
歯科衛生士による生活習慣や食生活のお話をさせていただくこともあります。
また、唾液の分泌が良くなるようによく噛んで召し上がること、
水分をこまめにとること、唾液腺マッサージ、舌の体操などを
お話させていただいています。
②象牙質知覚過敏症
歯肉退縮により露出した歯根は、
歯磨きでセメント質が削れてしまっていることも多く、
象牙質がお口の中にさらされています。
つまり象牙質知覚過敏症が起こりやすくなっています。
歯科医院では、しみているところにしみ止めを塗ったり、
コーティング剤を塗ったり、フッ素塗布をします。
また、知覚過敏用のしみ止め効果のある歯磨き剤を
毎日の歯磨きでお使いいただくことをお勧めしております。
それでも日常生活で辛いしみる症状が続いている場合や
削れてしまった部分が大きい場合には、
虫歯治療で用いる硬質のプラスチックの材料を詰める処置をします。
それで治らない、しみるというより痛いという場合には、
歯の神経を取る治療をします。
③審美性の低下
骨が減って歯ぐきが下がると、
歯と歯の接しているところと歯ぐきに囲まれた隙間の三角形が黒く見えたり、
かぶせもののふちが見えて見た目が悪くなります。(審美性の低下)
古くなったかぶせものを新しく作り直すことで
かぶせものをぴったり合わせることや
歯ぐきが下がって根元が見えているところを
外科的に歯ぐきを移植して
見た目を改善することが可能な場合もあります。
全ての歯肉退縮に適応できるわけではなく、
お口の中の状態や患者さんのご要望によりますので、
ご相談ください。
歯肉退縮の予防には、定期的な歯科受診が重要です。
当院の歯科医師、歯科衛生士にご相談ください。
埼玉県入間郡三芳町
ユナイトみよし歯科
歯科衛生士Y.O