お口のおはなし 第54話
オーラルフレイルってなあに?
②オーラルフレイル予防とは?
今回は、オーラルフレイル予防についてお伝えします。
オーラルフレイルについては、お口のおはなし第49話をご参照ください。
オーラルフレイルを予防するには、
歯と口の健康を保つことが大切です。
「口の中を清潔に保つこと」
「加齢で衰える口腔機能の維持・改善に努めること」
がポイントです。
また、定期的な歯科検診で自分の歯や口の状態を知ることも
オーラルフレイルの予防に有効です。
(1)お口の中を清潔に保つために
毎食後、歯を磨きましょう。
夜寝る前は、ゆっくりじっくりお手入れしましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスも用いて歯と歯の間もきれいにしましょう。
舌ブラシも使うと効果的です。
入れ歯をお使いの方は、入れ歯を外して歯磨きをしましょう。
外した入れ歯も毎食後洗ってキレイにしてから、お口に戻しましょう。
また、定期的に歯磨きのチェックを歯科医院で受けましょう。
具体的な歯磨きの仕方や入れ歯のお手入れでご不明な点も
歯科衛生士にお尋ね下さい。
(歯磨き指導といいます)
毎日のお手入れでは、取りきれない汚れを
定期的に歯科医院で歯科衛生士のプロのクリーニングで取り除きましょう。
(歯科予防処置といいます)
ご高齢のご家族のお口の清潔を保つためにどうすれば良いか、
お悩みの方も歯科医師、歯科衛生士にご相談下さい。
(2)加齢で衰える口腔機能の維持改善のために
お口の健康は、全身の健康につながります。
健康寿命を伸ばすこともできます。
お口の機能の維持改善のためにお口の体操(口腔体操)をしましょう。
全部を一日で行わなくても構いません。
いろいろなお口の体操を毎日少しずつ続けることで
オーラルフレイルを予防することができます。
①お口と舌の動きをスムーズにする体操
唇、頬、お口周りや舌の筋力アップによりお口の機能が高まり、
唾液の分泌が良くなり、舌が滑らかに動いて食べ物を飲み込みやすくなります。
お顔の表情も豊かにいきいきとします。
・お口の体操 ウーの口→イーの口を繰り返す
・頬の体操 ブクブクうがいをする(水無しで行ってもよい)
・舌の体操 舌で頬の内側を押す(左右) 舌を口の中で回す(左右)
・パタカラ体操 パタカラをそれぞれ連続して発音する
(パパパパパパパパ→タタタタタタタタ→カカカカカカカカ→タタタタタタタタを繰り返す)
・あいうべ体操 ア→イ→ウ→ベーで舌を出すあいうべの口を繰り返す
・唾液腺マッサージ 耳下腺、顎下腺、舌下腺を指でゆっくり押す
②飲み込む力(嚥下機能)をつける体操
飲み込むときに使うところの筋力をアップすると
お食事中にむせる、飲み込めないなどの症状が改善されます。
・お口を開く訓練
ゆっくり大きく開く→しっかり口を閉じるを繰り返す
・ごっくん体操
喉ぼとけに手を当てて唾をごっくんと飲み込む
→喉ぼとけが上がることを確認する
・ベロ出しごっくん体操
舌を少し出したまま、口を閉じて唾をごっくんと飲み込む
・おでこ体操 手のひらをおでこにあてて、押し合うようにする
③嚙む力(咀嚼機能)をつける体操
お食事中の食べこぼしや、食べ物が気管支や鼻に流れ込むのをふせぎます。
唾液の分泌が良くなるとお食事が安全に美味しく召し上がれるようになります。
・咀嚼訓練 姿勢を正しくして左右均等に両側でガムを嚙む
④滑舌(口唇・舌の巧緻性)をよくする体操
口の動きを良くすると明瞭な発音となり、しっかりお話ができます。
また、お顔の表情も明るく豊かになります。
・早口言葉
日本に昔からある早口言葉を口を大きく動かしながら三回連続言う
なまむぎ なまごめ なまたまご
→となりのきゃくは よくかきくうきゃくだ
→あおまきがみ あかまきがみ きまきがみ
→となりのたけがきにたけたてかけたのは たけたてかけたかったので
たけたてかけた
⑤舌の力をつける体操
誤嚥やむせなどの症状の改善につながります。
・舌のトレーニング
舌を上下左右に伸ばす 舌をお口の周りグルっと動かす
お口の体操のリーフレットは、当院で配布しておりますので、
歯科衛生士にお尋ねください。
このお口の体操は、オーラルフレイル予防だけでなく、
認知症予防、アンチエイジング、お子様のお口の機能の向上にも有効です。
すべての年齢の方に行っていただくことをお勧めします。
新型コロナウイルス感染症の予防のためにマスクをするようになってから、
お口元が見えないためにお口の運動不足になってしまい、
お口の機能の低下がみられる方もいらっしゃいます。
ぜひご家族皆さんでお口の体操をして
お口もお身体も健やかにお過ごしください。
埼玉県入間郡三芳町
ユナイトみよし歯科
歯科衛生士 Y.O