A. 歯肉上皮を構成する基底細胞層というところに、わずかに含まれるメラニン細胞(メラノサイト)が、
喫煙の影響で活性化や増加することが原因として考えられています。
このメラノサイトは、メラニン色素を貯蔵し、それを周囲の細胞に取り込ませる働きをします。
日焼けで皮膚が黒くなるのはこのためです。
タバコの成分中の何がメラノサイトを活性化させるのかはまだはっきりわかっていませんが、
禁煙すると歯肉の黒ずみがなくなる症例が多いことから、歯肉の色を気にしている方は、
禁煙が必須です。
A. 禁煙を実行すると、それまでタバコの煙の成分によって隠されていた本来の歯肉の
炎症反応が 一時的に戻ってくることが知られています。
禁煙後の歯肉の血流や歯肉溝滲出液量(炎症により増加する)を調べた研究では、
禁煙5日後までは炎症の増強を示す結果でしたが、2~3週間後には非喫煙者と同じ状態に
なることが示されています。
つまり、禁煙して数週間後までは、治療を行っていてもなかなか炎症が消退しない
印象を受けるかもしれませんが、禁煙を継続することによって、
治療に対する口腔組織の応答が正常なものに変化していきます。
A. タバコの煙のなかに含まれているニコチンをはじめとする有害物質が、
歯の根元の部分を支える粘膜(歯槽粘膜)や歯肉から直接吸収されたり、
肺から血中に入って傷口を治す細胞(上皮細胞や線維芽細胞)の働きを
鈍らせてしまうことが一因として考えられます。
喫煙者では、歯周組織の治療に対する応答が悪く、歯周外科治療や
インプラント手術の予後がよくないことも指摘されています。
そのため歯周治療を始めるにあたっては、タバコの本数を減らすのではなく、
完全に「禁煙」することが必須です。
埼玉県入間郡三芳町藤久保855-403 アクロスプラザ三芳1階
ユナイトみよし歯科 歯科衛生士 H.K