これまで、何故口腔育成が大切か?原因やトレーニング方法をお話してきました。
お子さんにお口ポカンなどの問題が多く見られるようになったのは、欧米化した食事が原因もひとつだと考えられます。ハンバーグやオムライスなどの洋食はお子さんに人気の献立ですが、1回の食事で咬む回数はおよそ500回。一方、伝統的な和食の咬む回数はおよそ1500回と3倍です。
洋食中心になったことで、咬む回数が1/3に減り、お子さんのお口周りや顎の成長を妨げています。また、スーパーやコンビニで売られているお惣菜も、最近は高齢者向けに柔らかい食べ物が増えており、ますます咬む回数が減ってしまいます。正常な顎の成長には負荷をかけることが必要であり、咬む力が不可欠です。
咬む力で適切に負荷がかかれば、自然にしっかりした顎に成長していきます。正しい顎の成長は鼻の通り道を作り、心肺機能を育てます。口周りが成長することで顔や首の骨格が育ち、脳から首の器官を通して成長ホルモンが分泌され、全身機能の発達や骨格の成長につながります。身体が大きく成長することにより、内臓の位置が正常になり、機能性も高まりますり。お子さんが健全に成長するには、お口周りの発達がカギになるのです。
昔に比べ、最近はやわらかい食事メニューが増えています。そのため、子どもの頃から噛む回数が少なく、顎が発達しない傾向にあります。その結果、噛み合わせが悪い子どもが増えているのです。よく噛むことが子どもの顎の骨の発育を促し、その結果として、歯並びや噛み合わせがきれいになるのです。
よく噛むことは、顎の発育を促し、よい歯並びを導くことだけでなく、以下のような様々なメリットがあります。
【よく噛むことで・・・】
・肥満防止:噛む刺激が満腹中枢に伝わり、食べ過ぎなくなります。
・むし歯・歯周病予防:だ液の分泌が促され、むし歯・歯周病の予防につながります。
・味覚の形成:味覚が刺激され、正常な味覚が形成されます
・脳の活性化:脳に刺激が伝わり、活性化します。
・発音の育成:口の周りの筋肉が発達し、正しく発音できるようになります。
・顔貌の育成:顎や骨格の成長が促進され、顔貌が整います。
・胃腸の負担軽減:噛み砕いて吸収することで、消化を助けます。
さらにバランスのよい食事をとることは、心や身体の成長、そしてお口の健康にとってとても大切です。食事メニューが偏っていたり、決まった時間にきちんととらなかったりすると、身体に必要な栄養が不足し、病気や肥満を招くなど体調に異変を来してしまいます。また、やわらかいものばかりを食べていると、顎が育成されず噛み合わせの乱れを招くことは前述のとおりです。
毎日の食事を、子どもが自分自身で管理をするのは難しいこと。親御さんが、食品選びから調理方法、食事のとり方まで、しっかり気を配るようにしましょう。
おやつについて
おやつはお子さんにとって重要なものですが、選び方によってはむし歯ができやすくなるなど、お口の健康に悪影響を及ぼします。無制限に好きなものを与えるのはNG。親御さんがしっかり管理するようにしましょう。
【おやつの約束】
・時間を決めて与える
・夕食に影響が出ない量にする
・歯にくっつきやすいおやつは控える
・砂糖が多いおやつは控える
・できるだけ噛みごたえあるおやつを選ぶ
・おやつの後は、できるだけ歯みがきをする
お口の健康は日頃の生活に深く関わっています!
歯磨きも大切ですが、食事や口腔周囲の筋肉を鍛えるなどにも目を向けていきましょう!
ユナイトみよし歯科
歯科衛生士 Y.S