お口のおはなし第49話
オーラルフレイルってなあに?
①オーラルフレイルとは?
埼玉県後期高齢者医療広域連合では、
口腔機能の低下やフレイル、認知症、肺炎等の疾病の予防を目的として、
毎年、7月1日から
75歳、80歳になられる方を対象に「健康長寿歯科健診」を実施しています。
どうして歯科健診が重要なのでしょうか?
「オーラルフレイル」という言葉をご存じですか?
オーラル=口
フレイル=虚弱
つまり、お口の機能が低下していることを「オーラルフレイル」といいます。
東京大学高齢社会総合研究機構特任教授辻哲夫先生と教授飯島勝矢先生が
研究結果から示したフレイル(全身虚弱)の前段階のプレフレイルのことを指します。
お口の機能低下を見逃すと、全身的な機能低下が進むことを研究結果から示し、
「オーラルフレイル」と名付けられました。
では、オーラルフレイルとは、どのような症状があるのでしょうか?
お口には、様々な機能がありますが、噛む、飲み込む、話すなどというお口の機能低下が、
加齢により衰えていきます。
すると、固いものを噛めない、むせる、食べ物を飲み込みにくい、食べこぼす、
滑舌が悪くなる、唾液が出にくくなる、お口が乾くなどの症状がでてきます。
噛む力が低下すると、固いものを食べなくなり、やわらかいものを食べるようになります。
やわらかいものばかり食べていると噛むために必要な筋力が低下します。
そして噛む力は、どんどん低下してしまいます。
噛む力が弱くなると食べにくくなってしまい、食欲不振や低栄養になります。
食べにくい、食べこぼすと誰かと一緒に食べること、友人や知人と食事をすることを
避けるようになります。
外食、外出の機会が減ることになり、運動不足、運動機能の低下にもつながります。
全身の機能低下につながり、さらには、要介護状態へと進んでしまう可能性もあります。
滑舌が悪くなったり、お口が乾いきやすくなると、話しづらくなり、聞き返されることも増えます。
人と話すのが億劫になってきて、だんだん人と話さなくなります。
人と話さない、人と会わないことは、外出の機会が減り、運動機能の低下にもつながりますが、
心の健康にも影響します。
オーラルフレイルは、お口の健康だけの問題ではなく、体の健康にも心の健康にも関係しているのです。
しかし、オーラルフレイルは、軽微な状態であると、ご自身で気付きにくいことが多く、
ご家族でも、年齢だからと、見逃してしまうことが多いのです。
近年、皆さんご存知の「8020運動」
80歳以上でも20本以上の自分の歯を保とう!
と同じように
「オーラルフレイル」も啓蒙されるようになってきました。
「健康長寿歯科健診」には、オーラルフレイルの診断項目もあります。
もちろん、当院では、日頃より患者さん皆さまお一人お一人に合わせて、
お口の機能について、診断、治療、お話しをさせていただいております。
ご心配なことがございましたら、
歯科医師、歯科衛生士にお尋ね下さいませ。
次回は、オーラルフレイル予防についてお話しさせていただく予定です。
埼玉県入間郡三芳町
ユナイトみよし歯科
歯科衛生士Y.O