Tooth Wear とはむし歯でもないのに、歯が溶けたり欠けたりしてしまう疾患のことです。
原因としては酸蝕、咬耗、摩耗の3種類に分類され、これらを総称してTooth Wearと呼ばれています。
歯の寿命が延びてきた現在では、著しく進行したケースもみられます。
また、これら3つが複合的に作用することにより重篤な歯の欠損を引き起こすことがあります。
① 酸蝕(さんしょく) :erosion
酸蝕とは、文字の通り酸によって歯のエナメル質や象牙質が溶けて失われてしまうことです。
酸は色々な物に含まれています。例えばみかん、グレープフルーツなどの柑橘類や炭酸飲料、
スポーツドリンク、ワイン、お酢などの酸性の飲食物で、
これらをよく飲んだり、食べたりする方は酸蝕のリスクが高まります。
また、嘔吐することで胃酸が口の中に入り、歯を溶かしてしまうこともあります。
酸性度が高いものをよく摂取する方は注意をしましょう。
② 咬耗(こうもう) :attrition
咬耗とは歯と歯が接触することで発生します。
咬耗した部分は歯がすり減り、段々と平らになっていきます。
歯ぎしりをしてしまう方は要注意です。
③ 摩耗(まもう) :abrasion
摩耗とは、歯と歯の接触以外が原因で起こる歯のすり減りのことです。
主に歯ブラシや歯間ブラシの誤用が原因として挙げられます。
歯ブラシや歯間ブラシを強い圧で当てることで、特に歯と歯ぐきの境い目、
つまり歯の根元の部分が削れていくことがあります。
歯科医院では歯の根元が削れた状態を「くさび状欠損:WSD」と呼んでいます。
また、強い力でみがくことで歯ぐきが下がってしまい、
冷たいもの等で歯がしみる症状が出ることがあります。
Tooth Wearを防ぐためには日々の生活の中での習慣を変えていく必要があります。
・炭酸飲料やワイン、酸っぱい物が好きでついつい食べてしまう、
飲んでしまうという習慣はついていませんか?
酸っぱい物を口に含む回数、量を減らしたり、
摂取した後は口をお水でゆすぐように変えていきましょう。
・寝ている間の歯ぎしりは無意識のうちに起きていることです。
これ以上歯のすり減りを悪化させないように、
歯科医院でマウスピース(ナイトガード)を作ることをおすすめします。
・歯みがきの際強い力でみがいてしまう方は、もう少し力を抜いてみたり、持ち方を見直してみて下さい。
強い力でみがくと汚れがよく落ちそうですが、実際には歯ブラシの毛先が広がってしまい、
歯垢が落ちにくくなるので逆効果です。
歯ブラシは鉛筆持ちにすることで、力が入り過ぎず細かく動かせます。
ユナイトみよし歯科 歯科衛生士 Y.K